ペットの呼吸不全とはどんな病気なの?そんな疑問をお持ちの方がいると思います。
呼吸不全は病気の名称ではなく、肺や心臓に原因がある病気の症状として使われている用語です。
つまり、呼吸不全はペットが呼吸器系ないし循環器系等に関連した病気に罹り、この病気の進行に伴い、呼吸機能が悪化し、動脈血酸素濃度が低下し、全身に充分な酸素の供給が出来なくなった状態を言います。
呼吸不全は「呼吸機能が低下し、血液中の酸素濃度と二酸化炭素濃度が正常値を維持出来なくなり、この為生体が正常な機能を営みえない状態」と定義されています。例えば、高齢な小型犬や猫が息切れや呼吸が荒くなったり、咳込んだりする回数が増える事があり、これらの症状が呼吸不全に該当します。
呼吸不全の症状には呼吸困難、頻呼吸、舌の色が紫色(チアノーゼ)、頻脈、意識障害、昏睡等もあり、慢性呼吸不全では運動時や興奮時にこれらの症状をよく起こしやすくなります。
呼吸不全は肺や心音を聴診器で聞いたり、心電図、レントゲン、動脈血酸素分圧や症状で診断します。
治療は呼吸不全の原因を解明し、最も合った治療をしますが、酸素ボンベや酸素濃縮器を用いた酸素吸入療法も多く併用されています。
ペットが呼吸困難の症状を示す原因として遺伝的に気管が潰れやすかったり、鼻腔が狭かったり、あるいは僧帽弁閉鎖不全症などを上げる事が出来ますので、常日頃の充分な行動観察が必要です。肥満によりこれらの病気が発症する例が多く見られますので、餌を欲しがっても食事制限で体重を調整しましょう。